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【まずはこの1枚!】ジャズの名盤、オススメのアルバム
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【まずはこの1枚!】ジャズの名盤、オススメのアルバム

ジャズという音楽ジャンルに対して、皆さまはどのような印象をお持ちでしょうか?

何となくオシャレ、もしくは敷居が高そうといったイメージがあるかもしれませんね。

多くのサブ・ジャンルも存在するジャズの歴史は簡単に語れるものではありませんし、もちろん古い時代だけの音楽というわけでもないのです。

今回は、興味はあるけど何から聴いていいのか分からないといった方に向けて、まずはこの1枚、といったジャズ史に残るスタンダードな名盤の数々をピックアップしてみました。

ぜひ、チェックしてみてくださいね!

もくじ

【まずはこの1枚!】ジャズの名盤、オススメのアルバム

Somethin’ Else

Autumn LeavesCannonball Adderley

大食漢が由来だという「キャノンボール」というあだ名も特徴的なキャノンボール・アダレイさんは、かのマイルス・デイヴィスさんが率いるグループでの活躍や、ジャズだけにとどまらないクロスオーバー的なサウンドで人気を博した代表的なアルト・サックス奏者です。

マイルスさんの名作『カインド・オブ・ブルー』や、実験的な作品『ビッチェズ・ブリュー』などへの参加と並行してソロでも活動し、1961年にはブラジル音楽の代表格セルジオ・メンデスさんと共演した『キャノンボールズ・ボサ・ノヴァ』がヒットを記録。

ソウル・ジャズの領域においても優れた作品を生み出すなど、多彩な活躍を見せたアダレイさんが1958年にリリースしたソロ・アルバム『サムシン・エルス』は、実質的にはマイルス・デイヴィスさんが統制を執った1枚とされています。

名門ブルーノートから生まれた作品の中でも名盤中の名盤であり、基本中の基本と言えそうな本作の聴きどころは多くありますが、やはりジャズのスタンダードナンバーの中でもとくに有名な『枯葉』における哀愁漂うアンサンブルの妙は、これぞ大人のジャズと言いたい落ち着きと豊潤な響きにうっとりしてしまいます。

ジャズを聴く最初の1枚として、ふさわしい作品と言えるでしょう。

KOH-1

Waltz for Debby

Waltz for DebbyBill Evans

ジャズという音楽は日本でも人気の高いジャンルですが、ピアノがリーダーとなっているピアノ・トリオの作品に対する日本のジャズ・ファンの情熱は並々ならぬものがあります。

抒情的なピアノのフレーズは、日本人の感性に不思議とマッチするようですね。

ジャズの中でも美しいピアノが楽しめるジャズ・アルバムのオススメは何か、という質問の答えとして筆頭に挙げられるのが、ジャズ・ピアノの詩人と呼ばれるビル・エヴァンスさんの作品群でしょう。

黒人音楽から生まれたジャズ界において、1960年代当時では珍しい白人のピアニストであり、ジャズ・ピアニストとしては最も有名かつ重要な存在であるエヴァンスさんの代表作の1つである『ワルツ・フォー・デビイ』は、1961年におこなわれたライブ音源を収録された、まさにピアノ・トリオの金字塔と呼べる傑作。

日本における人気はとくにすさまじく、大ヒットを記録してロングセラーとなっているアルバムです。

エヴァンスさんのリリカルなフレーズや繊細な響きはもちろん、天才的な才能を持ちながら25歳という若さで交通事故で亡くなってしまったベース奏者のスコット・ラファロさんの演奏も素晴らしく、まさにピアノ・トリオの基本を知りたければこれを聴くべき、と断言したい名盤ですよ。

KOH-1

Full House

Full HouseWes Montgomery

ジャズ・ギタリストの伝説的なプレイヤーであり、後続のアーティストに多大なる影響を及ぼしたのが、1923年生まれのウェス・モンゴメリーさんです。

音楽一家の中で育ったというウェスさんですが、何と音譜を読めなかった上にギターの練習を始めたのは20歳の頃だったそうです。

独学で学んだギターは、親指1本でピッキングするスタイルが特徴的で、いわゆるオクターブ奏法を大々的に用いたプレイでジャズ・ギターの歴史を変えるほどの影響を与えました。

1962年にリリースされたアルバム『Full House』は、ギターを弾くウェスさんの手元をフォーカスしたアルバム・ジャケットがとてもカッコいい1枚です。

サックス奏者のジョニー・グリフィンさん、ピアニストのウイントン・ケリーさんらが参加した本作は、ジャズ・ギターの歴史に刻まれた名盤中の名盤!

ライブ録音ならではの心地いい緊張感と、スタジオ・アルバムにも引けをとらないアンサンブルの完成度の高さは今聴いても驚きの一言。

スタンダードなナンバーからウェスさんのオリジナル曲まで網羅した本作は、ジャズ・ギターの基本を楽しめる格好のアルバムと言えそうですね。

KOH-1

Moanin’

Moanin’Art Blakey and the Jazz Messengers

なんといっても、今回紹介するアルバムの表題曲であり、ファンキー・ジャズという音楽ジャンルの中でも屈指の人気曲『Moanin’』のかっこよさは、ジャズ初心者でもすぐに理解できるのではないでしょうか。

細かい連打を特徴とする「ナイアガラ・ロール」という奏法で知られる、人気ジャズ・ドラマーのアート・ブレイキーさんが、自身のバンドであるジャズ・メッセンジャーズを率いて1958年にリリースした『Moanin’』は、名門ブルーノート・レコードのカタログの中でも人気の高い「4000番台シリーズ」に名を連ねるジャズ・アルバムの傑作です。

冒頭で触れた表題曲はピアニストのボビー・ティモンズさんが作曲したもので、日本でもCM曲などに起用されたこともありますから、ファンキーなリズムとクールかつ軽やかなタッチのピアノのフレーズを聴いたことがある、という方もいらっしゃるはず。

アルバム全体的に、跳ねるビートのジャズの醍醐味がこれでもかと詰まった名曲ばかりが収録されており、聴いているだけで小粋な気分にひたれちゃいますね。

ちなみに、アート・ブレイキーさんは大の親日家で思わず心が温まるエピソードも多くありますから、興味のある方はぜひチェックしてみてください!

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Kind Of Blue

So WhatMiles Davis

「モダン・ジャズの帝王」と呼ばれ、1940年代から1990年の初頭まで、先進的なスタイルでジャズの可能性を追求し続けた天才、トランペット奏者のマイルス・デイビスさん。

ジャズのみならず、あらゆる音楽に与えた圧倒的なインパクトや影響をここで語るのは不可能ですが、ジャズの歴史を知る上で欠かすことのできない作品を多く生み出し、その中にはジャズの歴史を揺るがすような問題作も多く含まれています。

今回は、モダン・ジャズの傑作中の傑作にして、マイルスさんの代表作の1つとして必ず名前の挙がる『カインド・オブ・ブルー』を紹介しましょう。

コード進行にとらわれないモード・ジャズとされる手法を用いた本作は1959年にリリースされ、世界中で1,000万枚というジャズ・アルバムとしては異例のセールスを記録した作品です。

ジョン・コルトレーンさんやキャノンボール・アダレイさん、ビル・エヴァンスさんなど、ジャズ界にその名を残すアーティストが参加、すべての要素が歴史的な名盤のために集まったのではないかと感じさせますね。

一流のミュージシャンたちによる、自由な即興演奏から生み出される音楽は限りなく美しく、永遠に聴いていたいと思わせる魅力であふれていますよ。

KOH-1

Return to Forever

Return to ForeverChick Corea

2021年の2月9日、偉大なジャズピアニストが天国へと旅立ちました。

1941年にアメリカはマサチューセッツ州出身のチック・コリアさんは、圧倒的なスキルと柔軟な姿勢でジャズの可能性を大幅に広げたアーティストです。

幼い頃からピアノに親しみ、名門中の名門ジュリアード音楽院に進学するも、早々に学業は切り上げてプロとして多くの著名なアーティストと共演。

マイルス・デイヴィスさんのグループに参加後はエレクトリック・ピアノ、フェンダーローズを使って野心的な作品を多く発表し、その特異な才能を発揮します。

ジャンルを横断し、50年以上に及ぶキャリアを常に最前線で駆け抜けたチックさんは、エレクトリック・ジャズやフュージョンの立役者でもありますね。

そういった点からやはり挙げておきたいのが、チックさんのソロ名義で1972年にリリース、異例のヒットを記録した名盤『リターン・トゥ・フォーエヴァー』でしょう。

後に同名のバンドを立ち上げるきっかけともなったこの作品は、突出したテクニックを持つプレイヤーたちが作り上げる緻密なバンド・アンサンブルを、あくまでメロディアスに聴きやすい形で曲として昇華した珠玉の1枚です。

ブラジル音楽の香り漂うしゃれた味わいは、カフェ・ミュージックとしても最適ですよ!

KOH-1

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