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世界の有名クラリネット奏者~クラシックからジャズまで
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世界の有名クラリネット奏者~クラシックからジャズまで

柔らかい音色を持ち、さまざまな種類があって幅広い音域をカバーすることができるクラリネットは、吹奏楽などでも人気の高い楽器です。

クラシックに限らず、ジャズやポップスなどでも使われていますし、アンサンブルに溶け込みやすく脇を固める重要なポジションはもちろん、主役級の活躍も可能というのが特徴ですよね。

有名な童謡『クラリネットをこわしちゃった』でクラリネットという楽器の存在を知った、という方も多いかもしれません。

こちらの記事では、クラシックやジャズ・ミュージックの世界で活躍するクラリネット奏者を集めてみました。

これを読めば、クラリネットのことがもっと身近に感じられるかも?

もくじ

世界の有名クラリネット奏者~クラシックからジャズまで

ウェーバー/クラリネット協奏曲第1番Sabine Meyer

ドイツのクラリネット奏者であり、カールスルーエ音楽大学の教授や学長を務めたことでも知られているヴォルフガング・マイヤーさんの実妹であるザビーネ・マイヤーさんも、世界的に著名なクラリネット奏者として活躍している存在です。

上品でソフトな音色が実に美しく、クラリネット界の女王として君臨するザビーネさんですが、実はオーストリアが生んだ世界的な指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤンさんがザビーネさんを名門ベルリン・フィルハーモニーに招き入れようとした際に、何と楽団の反対で不採用となってしまったのです。

その後はカラヤンさんと楽団の間で深い溝ができてしまうほどの事件に発展してしまうのですが、当事者のザビーネさんからすればいたたまれないものがありますよね。

とはいえ、結果的にこの事件で不本意な形ではありますが知名度を上げたザビーネさんはソリストとして活躍、世界的なクラリネット奏者となったことは冒頭で触れた通りです。

クラシックだけではなく、ジャズ寄りのアルバムなどもリリースするなど多彩な才能を見せるザビーネさんの諸作品を、ぜひ手に取ってみてください!

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Burgundy Street BluesGeorge Lewis

ジャズの聖地、ニューオリンズが生んだクラリネット奏者であり、後続のニューオリンズ・ジャズのミュージシャンたちにも多大なる影響を及ぼしたジョージ・ルイスさん。

幼少期から音楽が好きだったというルイスさんは、正式なレッスンを受けたことはなくすべて独学で楽器をマスターしたのだとか。

戦前からバンドや楽団のメンバーとして活躍、晩年には日本への来日も実現し、多くの観客を動員しています。

ニューオリンズ・ジャズを愛好する人にとっては知らぬものはいないというほどの存在であり、天性のリズム感と日本人好みの哀愁漂う旋律の素晴らしさは、ジャズに興味がないという方であっても心地良く聴けるのではないでしょうか。

前述した来日公演の模様を収めたライブ盤もリリースされていますから、興味を持たれた方はぜひチェックしてみてくださいね。

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メンデルスゾーン/二重協奏曲 第1番Andreas Ottensamer

1989年生まれ、オーストリアが生んだ大人気クラリネット奏者のアンドレアス・オッテンザマーさんは、父親にウィーン・フィル首席のエルンストさんを、同じく同楽団の首席として活躍する実兄のダニエルさんといった、クラリネット奏者として超エリート音楽一家で育ったという経歴を持ち、モデルの仕事をこなすほどのルックスをも兼ね備えたスター性豊かな存在です。

若くして多くの名門オーケストラの中でクラリネット奏者として活躍、名門ベルリン・フィルの首席に弱冠22歳で就任し、さらにはチェロやピアノといった楽器で音楽コンクールで優勝した実績も残しているなど、音楽一家のサラブレッドとしての華麗な経歴に負けない確かな実力と才能を持ったアンドレアスさんの作品を通じて、クラリネットという楽器やクラシック音楽に興味を持ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

冒頭で触れたエルンストさん、ダニエルさんと組んだオッテンザマー一家が集結したクラリネット・アンサンブル「クラリノッティ」としての活動も有名ですね。

また、アメリカの偉大な女性シンガーソングライター、トーリ・エイモスさんのアルバムに参加するといったジャンルの枠内をこえた活動にも注目が集まっています。

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花は咲く(祈りのとき)藤井一男

国内外で活躍、日本が誇るクラリネット奏者の第一人者として活躍している藤井一男さん。

クラリネット奏者としての輝かしい経歴はもちろん、クラリネットアンサンブル「東京007」や「Revolution」のプロデュース、アカデミー&ワークショップを開催するなど後進の育成活動にも精力的で、新しいリード「ドリームリード」を開発するといったように、日本のクラリネットの歴史に多大なる貢献を果たしている方なのですね。

実娘の香織さん、裕子さんの藤井姉妹はそれぞれフルートとピアノで才能を発揮しているミュージシャンであり、親子や姉妹で共演して観客を大いに楽しませてくれています。

そんな藤井さんは、1979年に日本人クラリネット奏者を集めた「東京クラリネット・アンサンブル」を結成、その名義で多くの作品をリリースしています。

クラリネットの持つ音色の美しさ、豊潤さを存分に味わえる作品群をぜひチェックしてみてください。

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W.A.モーツァルト/クラリネット協奏曲 第3楽章橋本杏奈

日本生まれでロンドン在住、眼鏡のルックスが特徴的な橋本杏奈さんは、世界が注目するクラリネット奏者としてワールドワイドな活躍を見せる存在です。

幼少期よりイギリスで育った橋本さんは12歳の若さでケンブリッジ音楽祭にてリサイタル・デビュー、15歳でイギリス室内管弦楽団とコンチェルト・デビューを果たし、国内外の多くのコンクールで優勝を果たすなどの早熟な才能を発揮、日本も含む名門オーケストラと多くの共演、ソロ・アルバムも含めた作品もリリース、さらには王立バーミンガム音楽院クラリネット講師でもある、という精力的な活動を続けています。

弟子をとらないことで知られている世界最高峰のクラリネット奏者、マイケル・コリンズさんの唯一のお弟子さんでもあるのですよ。

そんな橋本さんは、英国作曲家の楽曲にフォーカスしたソロ・アルバム『A Touch of Britain』など、イギリスへの深い愛情を注ぎこんだ作品も発表しています。

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