管楽器入門
管楽器をもっと楽しむWebマガジン
search
クラリネット初心者のための。良いリードの選び方
最終更新:

クラリネット初心者のための。良いリードの選び方

クラリネットを始めたばかりの皆さんが気になること、それは「良いリードの選び方」ではないでしょうか。

リード選びは、クラリネットの音色を決定付ける一番大きな要因だけに、早いうちから正しい選び方を知ることが重要です。

それでは、クラリネットの生命線と言えるべきリードは、どのようにして選んでいけば良いのでしょうか。

実際に私がやっている方法を、みたさまにお伝えしたいと思います!

箱からすべてのリードを取り出し、一列に並べる

リードを並べる

実際に吹いて確かめる前に、見た目でもある程度の予測はついてきますので、まずは視覚的にリードを選びます。

まずは箱から取り出したあと、一列に並べます。

このとき並べ方はとくに気にしなくて大丈夫です。

グループ分けをする

以下の2つの判断基準にしたがって、リードを分別していきます。

光にあてて透かしてみて、中央部分のカーブが左右対称になっているかどうかを見る

良いリードはカーブが左右対称になります。

グループ分けをする

http://www.shimamura.co.jp/cms/media/71/20150827-reserve.jpg

リード(表)の下半分の色を見る

良いリードの色は肌色に近くなります。

良いリード

逆にくすんだ色のものはあまり良くないリードです。

あまり良くないリード

ここまでの手順をふむと、良いリードとあまり良くないリードの区別がある程度はつくようになります。

そして分かりやすいよう、コンディション別にグループをつくってあげます。

グループ分けをする

実際に吹いて確かめる

実際に音を出して確かめてみましょう。

視覚的にグループ分けをした後は、実際に音を出してみます。

口に加えて少し湿らせ、マウスピースに正しく装着し、音を出します。

吹きすぎない

この時注意しなくてはいけないのは、「長い時間、吹きすぎない」ことです。

しばらく吹いてみて、リードの先端が透明になってきたらすこしお休みさせてください。

新しいリードをいきなり長時間吹き続けてしまうと、ペラペラな音になってしまい、それを続けていけば後々の音色も同じくペラペラな音になってしまいます。

そのため、最初のうちは、くれぐれも同じリードを吹き続けないようにしましょう。

音量は、mp(メゾピアノ)からmf(メゾフォルテ)くらいの吹きやすい音量で吹いてみてください。

まずは、開放の「ソ」の音を出して目安にしてみると良いかと思います。

そして、ご自身が吹きやすい音域の音を吹いて確かめてみましょう。

この時、それぞれのリードの吹きやすさ、音色などをしっかり聴いてあげます。

「少し吹きにくいかな」と感じるくらいの抵抗感があるリードがベストです。

そうしてすべてのリードを試します。

この時、抵抗感が0、あるいはカスカスな音しか出ないものは、残念ながらベンチ入りさえ厳しいので、箱に戻しておきましょう。

リードの調整に、ヤスリで削ったり、リードカッターという器具を使って先端をカットする方もいますが、初心者の方にはあまりオススメしません。

プロの方でも、ご自身で調整を加える方もいますし、逆に全く手を加えないという方もいます。

このような手順でリードをひとつひとつ確かめていきます。

リードは「育てる」もの

リードが育ってきたら、先端が透明になるまでの時間も徐々に長くなり、安定してくるようになります。

また、吹き終わった後は、プラスチックのケースに戻すのではなく、スワブなどで水分を拭き取ったあと、リードケースに入れて保管するようにしてください。

これらの一連の流れは、リードを「選ぶ」というよりは、「育てる」という風に思ってもらった方が良いと思います。

とても地道な作業ですが、わが子のように愛情を持って育ててあげてください。

その中で、とくに良いリードは「本番用リード」として、そこまで良くはないものは「練習用リード」として、自分で分かりやすいように目印をつけてあげてください。

リードケース内での並び順を変えるもよし、ボールペンで印などをつけても良し、ご自身で分かりやすいようにしてあげれば、とくに決まったルールなどはありません。

ただ、「本番用リード」に選ばれたリードも、適度に練習で使ってあげてください。

それまで大事にとっておいたのにもかかわらず、あまりに吹いてあげていないと、肝心の本番で全く活躍してくれない…なんてこともありうるのです。

例えるなら、お気に入りだからとずっとタンスにしまっておいた洋服が、いざ着ようと思ってタンスから出すと虫に食われていた…といった感じです。

10枚も入っているクラリネットのリード(ただし、バスクラリネットの場合は5枚)ですが、実際のところその中で戦力となってくれるリードはたった1〜2枚という悲しい現実があります。

しかし正しい選び方をしないと、1枚も使えるものがない!という事態にもなりかねませんし、どんなに良い楽器を持っていようとも、良いリードがなければ元も子もありません。

リードの選び方に悩まれている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

ライタープロフィール

みくら

ピアニスト

みくら

愛媛県出身。

岡山大学教育学部卒業。

中学入学と同時にクラリネットをはじめ、吹奏楽、オーケストラ、木管五重奏、ソロを経験。

現在はウェブライターとして活動する傍ら、演奏家として生きていく道を模索中。

Twitter:mi_cla717

このライター・クリエイターへメッセージを送る

記事一覧

続きを読む
続きを読む