世界一難しい楽器、ホルンの魅力とは?
「あ〜、あのぐるぐるしたやつね」と人は言ってくれるけど、実はあまり知られていない楽器、ホルン。
そんなホルンに興味を持ってくれてありがとうございます!
ホルンという楽器は美しい音色を持つ、素晴らしい楽器です。
上の音から下の音まで幅広い音域を吹くことができ、オーケストラで大活躍するのも特徴です。
今日は興味を持ってくれたあなたにホルンの魅力をご案内します。
もくじ
ホルンってどんな楽器?
まずはこの演奏を聴いてください。
美しく力強い演奏ですね。
これがホルンです。
思ってたイメージと違いますよね?
そう、ホルンて力強い音で吹くこともできて、さらにきれいな音もでる、めちゃめちゃかっこいい楽器なんです!
オーケストラの花形金管楽器がホルン!
オーケストラではホルンが大活躍します。
時に美しいメロディーを奏で、力強くファンファーレを吹いたかと思えば、時に木管楽器や弦楽器に溶け込み美しいハーモニーを奏でます。
ホルンの持つやわらかな響きと柔軟な音色で、管楽器と弦楽器をつなぐ接着剤の役割も果たします。
ロングトーン(伸ばした音)ひとつで人をハッとさせ感動させることができる楽器でもあります。
歴史ある楽器
ホルンは歴史の古い楽器です。
金管楽器の中では1番歴史の古い楽器とも言われています。
ホルンはイタリア語でCorno(コルノ)、フランス語ではCor(コール)と言い、もともとは「角(ツノ)」の意味を持った言葉です。
最初は動物の角を吹いていたんです。
それが「ホルン」という楽器の始まりでした。
昔からさまざまな作曲家にも愛され、モーツァルトやベートヴェンの時代からホルンは演奏にたくさん参加しています。
ここで、オーケストラの中で響くホルンの美しい響きを紹介します。
1:14あたりから聴いてください。
ソロで聴くのとはまた違った美しさがあります。
鳥肌が立つほど素晴らしいハーモニーですよね。
これがオーケストラで活躍するホルンです。
世界一難しい楽器!?
ホルンとオーボエは世界一難しい楽器としてギネスブックに登録されています。
何が難しいのか?
それは「音がはずれやすい」と言われているからなんです。
音域が広い
ホルンはとっても音域の広い楽器で、なんと低い音はチューバの音域、高い音はトランペットの音域まで出る楽器です。
そのため一般的には「上吹き」「下吹き」と得意分野が分かれていて役割分担をして吹いています。
キーが4つしかない
ホルンは音域が広いのにキーが4つしかありません。
リコーダーみたいに全部の音に違う指遣いが割り振られているわけではないんです。
そのため、ひとつの指遣いでたくさんの音を出すことができます。
たくさんの音をどう吹き分けるかというと、口の中の広さや、息のスピードで息の出口の大きさを変えて音を変化させます。
そのためコントロールが難しいので「世界一難しい楽器」と言われています。
世界のホルン奏者
ホルンに興味を持ってくれたあなたに、YouTubeで聴ける3人のホルン奏者を紹介します。
素晴らしい演奏をするホルニストはまだまだたくさんいますが、今回は海外の男性ホルニストから1人、女性ホルニストから1人、日本を代表するホルニストから1人、紹介します。
デニス・ブレイン
ホルンの神様、その名も「デニス・ブレイン」。
36歳という若さでその一生を閉じるまで数々の伝説を残した人物です。
この人なしには今のホルン業界はありえません。
58年以上前の演奏は今でも色あせず、素晴らしい音楽家です。完璧なテクニックに美しい音色。
ホルン吹きでデニス・ブレインを知らない人はいません。
ホルンに興味を持ったあなたも、ぜひこの機会に聞いてみてください。
サラ・ウィリス
女性で下吹きのスペシャリストを紹介します。
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の下吹き「サラ・ウィリス」。
1991~2001年ベルリン国立歌劇場のホルン奏者、2001年よりベルリンフィルに入団。
世界で屈指の下吹きです。
彼女の素晴らしい低音を2:20あたり〜お聞きください。
福川 伸陽(ふくかわ のぶあき)
クラシックだけでなく、ジャズやポップスの演奏にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。
一度コンサートに足を運んだ際にはさまざまなジャンルの曲を多彩な音色で演奏されていて驚きました。
動画ではモーツァルトの協奏曲を。
最後に
コントロールが難しいけれど、吹くととても美しい音がしますし、大活躍するホルン。
見た目もかわいいし、低い音も高い音も出る楽器なので吹いていて楽しいですよ。
この機会にあなたもホルンをはじめてみませんか?
ライタープロフィール
ホルン奏者
権左勇一
東京都出身。
都立片倉高学校、国立音楽大学卒業。
管弦楽コース修了。
ホルンを、笠松長久(元・東京都交響楽団主席)、大野良雄(元・NHK交響楽団)、西條貴人(東京都交響楽団主席)、井手詩朗(元・新日本フィルハーモニー交響楽団主席)、阿部雅人(元・新日本フィルハーモニー交響楽団)の各氏に師事。
フランク・ロイド氏によるマスタークラス受講。
サントリーホール主催デビューコンサート「レインボー21」出演。
オーケストラ、吹奏楽、室内楽、オペラ、CMレコーディングなど幅広く活動。
後進の指導に精力的に携わり、小学校から高校までこれまで30校以上の学校の指導に携わり、全国各地で講習会の講師も務める。
個人レッスンも行っており、今までに延べ500人以上の生徒にホルンを指導。
文化庁主催「次世代を担う子どもの文化芸術体験事業」に参加。
現在、アレクサンダーテクニーク教師資格取得を目指し勉強中。
BODY CHANCE 音楽専門プロコースに在籍。
使用楽器:Alexander103MBL 使用マウスピース:Alexander 21 2016年秋公開予定映画「オケ老人!」ホルン指導及び出演。
O型獅子座で動物占いはペガサス。
Instagram:
https://www.instagram.com/yuichi_gonza/
ウェブサイト:https://gonzayuichi.com
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