吹奏楽でよく使われるクラリネットってどんな楽器?
みなさん、吹奏楽で1番前の席に並んで演奏されている黒くて細長い縦笛の名前、ご存じですか?
パパからもらったのに壊しちゃった楽器……。
そう、クラリネット!
今回は一見地味にみえるけど実は万能なクラリネットの魅力をご紹介します。
材質
クラリネットは木管楽器という名の通り、木製の楽器です。
材質はグラナディラという黒くて硬い木が使用されているものが多いです。
木製楽器はデリケートなので、気温差や強い衝撃などで割れてしまうことがあります。
そのため野外で演奏するマーチングなどの練習のために、合成樹脂(プラスチック)製のクラリネットも作られています。
こちらは木製に比べて安いので、楽器を始めたばかりの方や学校の備品で購入されています。
そしてクラリネットはリードを使って音を響かせる楽器です。
リードとはとても薄い葦(あし)でできたもので、こちらもデリケートで割れてしまうと使えなくなってしまう消耗品なのでリードもプラスチックでできたものが作られています。
しかしリードに関してはほとんどの方が葦(あし)のリードを育てて使用しています。
プラスチックは練習用に使われることが多いです。
種類
まず吹奏楽でよく使用されている一般的なクラリネットが、B♭管クラリネットです。
よくB♭(ベー)クラと呼ばれています。
このクラリネットのドの音が実音シ♭(B♭)なのでそう呼ばれています。
そしてオーケストラになるとベークラと同じくらいよく使う楽器が、A管クラリネットです。
このクラリネットA(アー)クラとは言わずにA(アー)管と呼ばれています。
ベークラより少し長いです。
吹奏楽やオーケストラの大編成になると現れるのが、E♭管クラリネット(エスクラ)、アルトクラリネット、バスクラリネット(バスクラ)です。
アルトクラはE♭管、バスクラはB♭管です。
アルトクラからベルが金属になり少しサックスに近い形になっています。
エスクラは小さいのエスではなくE♭管だからエスクラと呼ばれています。
ベークラよりも短く高い音がでます。
そして、まだまだあります。
クラリネットアンサンブルの曲では8重奏の曲があります。
その時に現れるのが、コントラアルトクラリネット(E♭管)、コントラバスクラリネット(B♭管)です。
この楽器を所持している人は相当なマニアと言えます。
学校や団体でも所持しているところは少ないです。
かなり大きな楽器なので、材質が金属のものもあります。
実はここで紹介したもの以外にもまだあるのですが、とりあえず吹奏楽やアンサンブルで使われる主な楽器だけ紹介させていただきました。
音域の広さ
同族楽器が多いので、クラリネットだけで旋律から伴奏までできてしまうのですがすべての種類をそろえることは難しいと思われます。
そんな時クラリネットの音域の広さが役に立ちます。
フルートやオーボエの音域が約2オクターブに対して、クラリネットはなんと3オクターブ以上の音域の広さがあります。
なのでベークラが3、4人しかいない場合でも、旋律と伴奏に分けることが可能です。
小編成のアンサンブルも聴いていただきましょう。
こちらの曲は音源はベークラ3本とバスクラで演奏されていますが、ベークラ4本でも演奏可能です。
クラリネットの定番曲!
モーツァルトのクラリネット協奏曲より第1楽章
実はこの曲、先ほど紹介しきれなかったクラリネットの同族楽器の1つバセットクラリネットのための協奏曲なのです。
演奏されている楽器を見て頂いたらわかるように普通のクラリネットよりかなり長いです。
なかなか珍しい楽器なのでA管に書き換えられた楽譜で演奏されることが多いです。
シングシングシング
スウィングの王様ベニー・グッドマンのソロで有名なこの曲。
終盤のクラリネットのソロはなんとhighAのもう1オクターブ上のAまででてきます!
最後に
吹奏楽、オーケストラ、アンサンブル、ジャズとクラリネットを始めるといろいろなジャンルの音楽が楽しめます。
この機会にクラリネットを始めてみませんか?
ライタープロフィール
クラリネット講師
伊藤知世
大阪府出身。
相愛大学音楽学部音楽学科クラリネット専攻卒業。
現在音楽教室講師や自宅でクラリネットレッスンを行っています。
一度音楽がつらくなって演奏できなくなってしまった経験を生かしたレッスンを心がけています。
Twitter:tnm4clarinet